2019年スタート
新年度の新鮮さが薄れてきたある日、友人がぽつりとつぶやいた。
私はこの光景を覚えている。
都営大江戸線の某駅、長い階段を下りているときだった。
友人はこう言った。
「2019年の目標がまだ決まっていないんだ」
私はその言葉にうまく返事を作れなかった。
だって私も目標を決めていなかったのだから。
新年を迎えるときや、新年度がスタートしたときにこそ目標を立てて、その目標を達成すべくアクションをしていく。その意識が大切なのだとは知っている。
これは会社に入ってから強く意識するようになった。
ゴールがあって、そのゴールを達成するために目標がある。その目標に期限をつけて、アクションをしていく。目標設定があってこそ人は成長できるのだとも。
だからこそ、2019年度の目標を決めていない自分がいるという事実をいきなり突き付けられたような気がして、心が苦しくなった。
会社でも「今年一年、どうしていくのか決めてね」とタイムリミットを突き付けられていた。私は某国での起業を志していたため、今の会社に入った。でも起業する前に修行として別事業に入り、マーケティングを学んでいた。
あらためて起業するのか、起業を辞めて事業の中枢に入るのか、どっちを取るのか。
社長はどっちに行くのかを2019年度のうちに決めてほしいと告げた。
どっちも取れなかった。どっちにも行きたかった。
こうして私は考えることをやめた。
そして忘れていたのだ。
この時、人生の重大な選択を突き付けられている状況に置かれているということを。
友人の言葉をきっかけに自覚してしまった。
心の底に広がる焦燥感にふたをして、私は目をつぶり、友人にかける言葉を考えた。
「あなたは何をやりたいと思っているの?」
「僕は演劇で、上を見てみたい」
「目標はまだ決まっていないと言っていたけど、それがもう目的じゃん」
「違うよ、上を見てみたいからそのために何をするのかがわからないんだ」
なるほど。
友人は上を見てみたいと言っていた。それは私も同じく、上を見てみたい。
まだ見ぬ先にある景色が見てみたい。
この日は結局、お互いに「目標が決まったらシェアしような」ということで解散した。
揺れる大江戸線の車内で考えてみた。
2019年度の目標。
「変化を恐れずに飛び込む」
これがぼんやりと浮かんできた。
よし、新しいことをしよう。こうして私はブログを始めた。
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